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減価償却で税を先送りにして、節税の効果はあるの? NEW
2023/05/06

減価償却で税を先送りにして、節税の効果はあるの?

収益物件を購入して減価償却で利益を圧縮しても、その分簿価が減価していくので、売却時に譲渡益税を払わなくてはなりません。それでは、結局減価償却で税金を繰り延べしているだけで、最終的に払う税金は同じなのではないのでしょうか?

 

A 減価償却で課税を繰り延べすることで、手元キャッシュを増やし先に活用できる

◆キャッシュフローは黒字でも、赤字として計上できる

減価償却とは、不動産のような償却資産にかかる購入費などを、国税庁の定める耐用年数に応じて数年にわたって費用計上していく仕組みのことです。ポイントはキャッシュアウトせずに経費計上できる点にあります。

 

減価償却の制度をうまく利用することによって、会計上多額の費用を計上することができます。たとえば年間所得2000万円の経営者が、築23年の木造で物件価格1億円(土地5000万円、建物5000万円、借入金利2%)を全額借り入れで取得したとします。年間の賃料収入は1000万円、経費が200万円、元利金の返済が500万円です。すると税引前のキャッシュフローは年300万円のプラスになります。

 

300万円の利益が出れば課税対象になりますが、ここでポイントになるのは減価償却です。5000万円の建物を4年間で減価償却すれば、1年あたりの償却額は1250万円になります

(土地は減価償却ができません。また償却額の算出方法は割愛しています)。

 

元利金返済のうち、元金は経費に計算されないので、賃料収入1000万円から借入金利200万円(1億円×0.02)、経費200万円、償却額1250万円を引くと、会計上は、650万円の赤字になります。

 

実際のキャッシュフローは黒字でも、帳簿上は赤字になるわけです。ここがポイントです。お財布の中身は現金があるのに、帳薄上だけ赤字になっている状態です。

 

そして、この帳簿上の赤字650万円を法人はもとより個人でも、他の所得と損益通算できます。ここが二つ目のボイントです。本業の所得とプラス・マイナスできるので、本業の所得が減るという効果があり、その分所得にかかる税金が安くなるのです。

 

ただ、減価償却の仕組みを活用した節税は、厳密には税金の額を減らしているわけではなく、次年度以降に先送りしている(繰り越している)にすぎません。先送りにした税金は、売却時の譲渡益にかかることになります。

 

しかし、物件の売却時にしつかりと戦略を立てておけば、最終的に繰り越していった税金を圧縮することもできます。このように、収益物件の活用においては、取得から売却までの一連の活動で利益を考え、計画的な運営をすることが重要です。

 

◆税金の先送りと売却時期の調整で経営を安定させる(法人の場合)

まず物件を売却する際の課税から考えてみましょう。物件を売却した場合、売却金額から簿価を控除し、さらに売却に要する費用を控除した利益に対して課税されます。

 

売却金額-簿価-売却に要する費用=利益←課税

 

減価償却が終わった総額1億円(内、建物価格5000万円)の物件が1億円で売れた場合、単純に「売却金額1億円-購入金額1億円=0で利益はゼロ」となるわけではなく、所有している間に減価償却していた建物分(5000万円)が簿価から引かれていますので、「売却金額1億円-簿価5000万円=5000万円、この5000万円から売却に要する費用を引いたもの」に課税されるということです。

 

つまり、減価償却で数年にわたって税金がかからなかった利益に対して、ここで課税されるわけで、減価償却による節税は、本質的には課税を先送りしているといえます。重要なのは課税額を一時的に減らして先送りしていることの効果と、出口戦略を考えることです。トータルでは納める税額は同じだとしても、減価償却を使って税金の支払いを先送りにすることで、手元に今すぐ使えるキャッシュを残すことができます。

 

経営という観点からすれば、そのキャッシュを運用できることに十分なメリットが生まれています。手元に1000万円があれば、別の投資商品に投資することもできれば、本業の拡張資金に充てることもできるからです。

 

実際の収益物件の運用においては、キャッシュフローを得ながら減価償却で課税を先送りにしておき、税所得を赤字の年にぶつけて相殺する、あるいは減価償却が終わるタイミングで別の物件を追加で購入して、さらに課税を先送りにするといった臨機応変な対策も立てられます。

 

では売却時の利益にかかる税金は、どのように捉えればいいでしょうか。収益物件活用の優れた点は、この売却時期を任意に決められることです。たとえば、法人の場合であれば、減価償却を利用して4年間、3000万円ずつの利益を圧縮し、その税金である-200万円を繰り延べてきたとします。そして、5年後に1億2000万円の本業赤字が出たとして、その年にこの物件を売却することができれば、トータル4800万円の節税ができたことになります。

 

このように、収益物件の減価償却を活用することによって、税金をコントロールし、会社の経営の安定度を高めることができるのです。

 

◆保有時と売却時の税率のギャップで節税する(個人の場合)

法人でのタックスマネジメントを説明しましたが、個人で収益物件を取得し、活用する場合においては、物件の保有期間にかかる税率と売却時にかかる税率にギャップがあるため、さらにメリットが得られます。

 

単純に税金を先送りしているだけではなく、税額そのものが少なくなるということです。ここが個人の収益物件活用における最大のポイントです。

 

個人の収益物件の保有期間における損益は、他の所得と通算されたうえで課税される総合課税です。たとえば所得税の最高税率55%(地方税含む。課税所得4000万円超の場合)の人であれば、減価償却で赤字を計上した分、税率にすれば55%の節税効果があります。仮に収益物件の減価倣却で500万円の赤字が出れば、節税効果はその55%である275万円です。*細かい計算は割愛しています。

 

一方、収益物件の売却時の税率は、他の所得とは切り離して課税される分離課税です。収益物件を5年超所有した後に売却する長期譲渡においては、税率が約20%となりますので、保有時の税率と比較して、35%ものギャップが生まれ、大幅な節税が可能となります。

最高税率(55%)の人が、木造築古物件で毎年500万円、4年間減価償却した場合で考えてみましょう。

 

建物価格2000万円について、4年にわたり毎年500万円ずつ減価償却を行った場合、毎年の節税額は275万円、4年間で計1100万円になります。6年目に長期譲渡で売却した場合、減価償却分2000万円の譲渡益にかかる税金は20%で400万円になるので、差し引き700万円もの節税ができたことになります。

 

このように、個人の場合は保有時と売却時の税率のギャップを利用することで、税の先送りだけではなく、文字通りの節税(減税)が実現し、利益を最大化することが可能になります。

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